現在のダイヤモンドはほとんどがブリリアントカットと呼ばれるカットですが、アンティークの場合、まだブリリアントカットが生まれる前のものも多く、多様なカットが使用されています。

参考文献 :『DIAMONDS AND PRECIOUS STONES : their history, value, and distinguishing characteristics』(Harry Emaniuel, F.R.G.S.、1867年,2版、 John Camden Hotten, London) …以下(A)

『ENGINEERING』(W.H.Maw and J. Dredge、VOL.XLVII. –FROM JANUARY TO JUNE,1889、1889、ADVERTISEMENS AND PUBLICATION 、LONDON)…以下(B)

『DIAMOND AND PRECIOUS STONES, A POPULAR ACCOUNT OF GEMS』(Louis Dieulafait,1876、Scribner,Armstrong & Co.、NEW YORK) …以下(C)

※呼称につきましては現在の通称よりも、一次資料における呼称を優先して掲載しております。

シングル・カット(マザラン・カット)

(A)の当時の資料でシングル・カット、現在ではマザラン・カットと呼ばれるカット。同資料においては「古いカット」と呼ばれている。

ダブルカット(オールド・マイン・カット)

この(A)の資料ではダブル・カット・ブリリアントと呼ばれ、現在ではオールド・マイン・カットと呼ばれる。また、その説明書きによると当時もっとも「現在普及していたカット」との記述がみられることからヴィクトリアン半ばの定番のカットだったことが窺える。

(B)の資料でもダブルカット・ブリリアントと呼ばれていることからも、この時代はオールドマインカットとは呼ばれていない。

ローズカット

アンティークのダイヤモンドといえば真っ先に浮かぶのがローズカット。

トップをフラットにせずポイントをつけ、薔薇のつぼみのような形状になる。

ローズカットはもっとカットを減らしているものも頻繁にあり、それらは(A)によればアントワープ・ローズと呼ばれ、平民向けであるとしている。

(B)によると24カットはオランダ・ローズと呼ばれ、18~20カットのものはセミ・ローズカット、6、8,12カットのものはアントワープ・ローズと呼ばれるとある。このことは国も時代も異なる(C)の書籍にも同じように記載されていることからこれは共通認識であったのだとわかる。そしてこのことからもローズカットといえど、そのカット数にはばらつきがあったことは確かである。

(A)によれば長い間時代遅れとされていたが、最近(1867年頃)多くの人が身に着けるようになったと記載されている。

オールド・イングリッシュ・シングルカット

スター・シングルカットとも呼ばれる。

テーブル・カット

シンプルなカットで、インドからの古いジュエリーなどから来ていることが多い。

(c)11th Avenue