Stuart crystal
髪と金糸と、水晶の覆い。

メトロポリタン美術館蔵(2000.532)、パブリックドメイン。所蔵品ページ
博物館の作例にみる構造
V&Aは、この種のジュエリーを「スライド(slide)」として記録している。髪を編んだ地の上に、金糸や金線によるサイファー(組み合わせ文字)や、打ち抜いてエナメルを施した金の小像を置き、ファセットを付けたロッククリスタルで覆う123。
スライドは1700年前後にたいへん好まれた形式である。裏に平たい輪が二つ付き、絹または編んだ髪のリボンを通して、首や手首に着けた1。
愛のしるし、追悼のしるし
1690年頃の作例は、愛の象徴であるケルビム四体とサイファーを配する1。
死者を記念するジュエリーも1700年前後の数十年間に広く着用された。骸骨や翼のある砂時計といった直截な図像がよく用いられ、打ち抜きの金による規格部品として作られ、エナメルを施すこともあった3。
年代の確かな例として、1704年のスライドがある。スペイン継承戦争で地中海に従軍した海軍軍人サー・アンドリュー・リークを追悼するもので、「1704年8月13日、マラガ沖でフランス軍に討たれた」旨の銘をもつ2。
出典
- V&A 所蔵品記録 M.31-1951(スライド、1690年頃) collections.vam.ac.uk ↗
- V&A 所蔵品記録 M.124-1962(スライド、1704年) collections.vam.ac.uk ↗
- V&A 所蔵品記録 M.15-1960(スライド、1700年頃) collections.vam.ac.uk ↗
