Sentimental jewellery

石の頭文字と、花と、髪。

ラヴァーズ・アイのロケット、1840年頃、おそらく英国。象牙に水彩の細密画、金、青エナメル、シードパール、髪
ラヴァーズ・アイのロケット、1840年頃、おそらく英国。象牙に水彩の細密画、金、青エナメル、シードパール、髪
メトロポリタン美術館蔵(2024.227)、パブリックドメイン。所蔵品ページ

宝石の頭文字で綴る言葉

V&A所蔵の1840年頃のロケットは、ルビー(Ruby)、エメラルド(Emerald)、ガーネット(Garnet)、アメジスト(Amethyst)、ルビー(Ruby)、ダイヤモンド(Diamond)を並べ、頭文字で「REGARD」と綴っている。ハート形で、錠前と鍵の形をとる。錠前は「あなたが私の心の鍵を持っている」という約束事を表す1。

花と石の意味

19世紀には、花は愛と友情を表すために用いられ、「花言葉」が特別なメッセージを綴った。自然の色は色石によって写された2。ヴィクトリア朝の花言葉で、スズランは「幸福の再来」を意味した3。

ヴィクトリア女王の所持品のうち、トルコ石をパヴェ留めした鷲のブローチについて、シャーロット・ギアはトルコ石を真実の愛、ルビーを情熱、ダイヤモンドを永遠、真珠を美の表現と読んでいる3。

髪

髪の房を納めたジュエリーは、イングランドでは遅くとも17世紀から流通していた。髪は、恋のジュエリーにも、死後に作られるジュエリーにも、その人を偲ぶ個人的で親密なよすがとして加えられた4。

ヴィクトリア朝を通じて、髪の房をジュエリーに仕立てる専門の「ヘア・アーティスト」が存在し、印刷したカタログで意匠を選ばせた。髪のジュエリーのすべてが死と結びつくわけではなく、愛と友情のしるしとしても用いられている5。

ヴィクトリア女王は婚約の4日後にアルバート公の髪を請い、ガラスのロケットに納めて身に着けた3。

1700年前後の愛の意匠

1700年前後、ケルビム(童子天使)は愛の象徴として広く理解されていた。薄い金板から打ち抜いてエナメルを施し、編んだ髪の地の上に配して、ファセットを付けたロッククリスタルで覆った作例がある6。

出典

  1. V&A 所蔵品記録 M.6-1986(ロケット、1840年頃) collections.vam.ac.uk ↗
  2. Victoria and Albert Museum「A history of jewellery」 vam.ac.uk ↗
  3. Charlotte Gere「Love and art: Queen Victoria’s personal jewellery」Royal Collection Trust, 2012年(オンライン公開)
  4. V&A 所蔵品記録 927-1888(ペンダント、1802年) collections.vam.ac.uk ↗
  5. Mona Choo「Hair」V&A Blog, 2009年 vam.ac.uk ↗
  6. V&A 所蔵品記録 M.31-1951(スライド、1690年頃) collections.vam.ac.uk ↗