Jet
ジュラ紀の流木から生まれた黒。
素材
ジェットは化石化した流木に瀝青が二次的に染み込んで生じた、有機質の宝石素材である。ウィトビー産のジェットは約1億8300万年前、ジュラ紀前期に遡る1。もとになった木は、現在のアラウカリア(チリマツ)に似た樹木であった2。
比重は約1.3と軽く、モース硬度は3〜4。よく磨かれ、熱を伝えにくいため触れると温かい。素焼きの磁器にこすると褐色の条痕を残す2。
歴史
人は少なくとも5500年にわたりジェットを宝石として用いてきた1。ウィトビーで最初の工房が開かれたのは1808年頃と考えられ、1850年までに約50軒を数えた2。
1830年のジョージ4世の死後、ジェットは大英帝国全域で装身具として採り入れられた。1861年のアルバート公の死後はヴィクトリア女王がこれを愛用している1。
最盛期の1860年から1880年にかけては、200を超える工場が1500人を雇い、300の鉱山が原石を供給した。産業は1870年までに頂点に達し、その後急激に崩壊した1。
模造品と見分け
これまでに20〜30種の素材がウィトビー・ジェットとして通用してきた。圧搾した角、ボグ・オーク、ヴァルカナイト、ボワ・デュルシ、セルロイド、フレンチ・ジェット、ベークライトなどである1。
模造品の多くは素焼きの磁器に褐色の条痕を残さないが、エボナイト(ヴァルカナイト)は残す。彫りによる鋭い稜ではなく丸みを帯びた縁や、日光でカーキ色に褪せることも模造品の徴候とされる2。
出典
- Whitby Museum「Whitby Jet and Jet Jewellery」 whitbymuseum.org.uk ↗
- Whitby Museum「Jet FAQ」 whitbymuseum.org.uk ↗
