Art Deco
幾何学と、遠い土地への憧れ。
名称
「アール・デコ」は1960年代に作られた呼称であり、単一の様式というより、さまざまな様式・源泉・影響の混成である1。名称のもととなる現代装飾美術・産業美術国際博覧会は、1925年にパリで開かれた1。
源泉
1922年のツタンカーメン王墓の発掘は、蓮の花、スカラベ、ヒエログリフ、ピラミッドといったエジプトの図像の流行を引き起こした。フォーヴィスム、キュビスム、未来派などの前衛運動や、アフリカ・東アジアの美術も源泉となっている1。
ジュエリー
1920年代から1950年代にかけて、好況・不況・戦争の波にさらされながらも、ジュエリーの意匠は革新的で華やかであり続けた。鋭い幾何学文様が機械の時代を讃え、近東・極東に着想した作品が流行の国際性を示している2。
宝石を密に集める構成がアール・デコのジュエリーの特徴である。1933年頃からは、プラチナより安価であることもあって、金が流行に戻った2。
ニューヨークは流行の中心としてパリと並ぶようになり、ヨーロッパの宝飾商はインド亜大陸と売買の双方を行った2。
カルティエの作例
V&Aのカルティエ展では、1928年にカルティエ・ロンドンが製作した「トゥッティ・フルッティ」のバンドー、同年にパティアラのマハラジャが注文した儀礼用ダイヤモンド・ネックレス、古代エジプトに着想した1934年のダイヤモンドとプラチナのティアラが紹介されている3。
出典
- V&A「An introduction to Art Deco」 vam.ac.uk ↗
- Victoria and Albert Museum「A history of jewellery」 vam.ac.uk ↗
- V&A「About the Cartier exhibition」 vam.ac.uk ↗
